八さん八さん言うて泣いてたで。喜美子(戸田恵梨香)は、小池(烏丸せつこ)の言葉を思い出していた。
第116話、何でもええ会に八郎が参加した。八さん八さん、その張本人が目の前に現れる。
見逃した方はこちらから⇨「【スカーレット】NHK」
「スカーレット」116話視聴率
第20週「もういちど家族に」第116話が、2月18日火曜日に放送されました。気になる視聴率は、19.3%でした!
陶芸家の神山清子さんがモデルになっています。男が多い蔵元で信楽焼に魅了されて行きます。波乱に満ちた人生をどう描くのか?
「スカーレット」116話あらすじ
みんなですき焼きを食らう
喜美子のところに照子(大島優子)と敏春(本田大輔)が来る。
「竜也(福崎那由他)が窯業研究所で、武志くんにようしてもろうて。」
「お礼言いたいんやて。竜也、真面目に通うてんのー。」
「バナナのおすそ分け頂きましたし。それに何もたいしたことしてないやないですか。」
「気にかけてもろてるだけで充分、心強いんですわ。これ、つまらんもんですけど。」
敏春は、牛肉を持って来てくれた。そこへ、小池アンリが来る。
「今、ここに住まわしてもろてるんです。」
照子は、ずるいと言い出す。
「アルバイト何時まで?ほな終わってからでもええし、ちょっと顔出し。ええお肉もろたで。ほんでこの前会うた小池アンリさんもおるで。」
喜美子は、武志(伊藤健太郎)に連絡をした。
「なぁ、丸熊陶業言うたらタイルで有名にな大きいとこやな。」
「タイルだけやじゃないですけどね。」
「そこの奥さんなんやろ?お手伝いさんとは、ちゃうよな。」
「お茶碗でも出して並べて下さいませんか?」
「箸より重たいもん持ったことないねん。」
「ほな、お箸出して頂けますか?」
武志は、誘っても断って来た。
「あかんわ、誘ったけどあかんわ。お肉だけ置いといてくれって。」
「来いひんよ、親の世代が集まったとこに。来いひん来いひん。竜也も恵も誘ったけど、冗談やない言われた。」
「ほな、ご飯は?」
「お母ちゃんとカニ食べるんやて。」
「カニやったら、いいか?」
「ちゃうよ、お祖母ちゃんはええねん。文句言わへんから。親は鬱陶しいんとちゃう?」
照子には、女の子3人と男の子が1人いる。一番上は、もう嫁いでいた。由紀子は妊娠していた。
「照子さんは、何飲まはります?美味しいワインあるねん、後で一緒に飲もう。」
喜美子は、普段は飲まない。小池アンリと飲み過ぎた話になる。
「泣いて泣いて、大変やったん。」
「何で泣いたん?」
「たいしたことない。」
「たいしたことあったで。八さん八さん言うて。」
アンリは、元女優だった。喜美子の泣き真似をする。八さん八さん、顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
「やめて下さい。もうええ、もうええ。」
そこへ、信作(林遺郁)と八郎(松下洸平)が来る。
「十代田さん?」
「こんにちわ、お久しぶりです。」
「ほんまや、どないしたん?」
「ウチに泊ってんねん。俺が名古屋から呼び出しとった。有給とって会いに来てくれたん。」
八郎は、百合子が作ったケーキを持っていた。喜美子は、小池アンリを友だちとして紹介した。
「十代田言います。十代田。」
照子が八郎が名前を言うのを遮った。とにかくあがって。
「ええ肉入ったんやて。すき焼きすき焼きって、ええやんけ。食べよ食べよ。」
小池アンリの生き方
「あの、あのこれどないしようか?冷蔵庫入れとこか?」
「そうですね、お願いします。いやいや、やりますやります。すんません。あと栓抜きやな。」
「栓抜き?」
「ほな、持ってってもろうて。」
これは何の会?ええ肉を囲む会?何の意味もない会。どうでもええ会。
「どうでもええ会。ええな、ほなどうでもいい会にカンパイ。」
信作は、さっそく肉に食らいつく。
「小池ちゃん、ホンマに女優やってはったんですか?」
「映画2本やって辞めたん。」
小池アンリには、好きな人がいた。友人の父親が映画会社の人だった。好奇心で出演してしまった。
『吹き荒れる青春の日々、悔い改めよ』、昭和21年の映画だった。
「ウチは7歳やったか。」
「あーほな、八は9歳やな。」
「八さん?八さん言わはんの?」
「十代田八郎、言います。」
「あっ、そうか。ふーん。ふんふん。」
喜美子は、下を向いてしまう。
「ウチは、その頃乙女やった。花の乙女や。好きな人がいてな。元々の許嫁や。ホンマに優しい人でな。」
手のひらが柔らかくてお餅みたいだった。映画を辞めたのは、許嫁に言われたからだった。
「ザックリ言うと、仕事より男を取った言うやつや。ウチはただ好きな人といることを選んだだけや。」
喜美子は、目を大きく見開く。
「8年前に亡くなるまでな、ホンマに仲よう寄り添うて。ホンマに優しく温かくて、ここんとこがお餅みたいやった。」
「十代田さん?八さんは、よう飲みはるんですか?」
「たしなむ程度です。」
「川原ちゃんのお父さんは、よう飲まはったようですよ。ちゃぶ台ひっくり返したこともあるって。」
家族みんなでいた頃は、うるさかった。朝からもう起こりっぱなしの笑いっぱなしの。賑やかな毎日だった。
「今は一人やからな。春から息子さんと一緒に暮らす予定も流れてしもうて。朝起きて聞こえるのは、鳥のさえずり、木々のざわめきって言うてたな。風の音が寂しいって。」
「川原ちゃん、この前ワイン飲んで酔っ払ってな。ええやん、もう聞いてもらおう。」
喜美子は、楽しいことばかり思い浮かべるのが得意だった。
「うまいこと行かへん、悲しいことが浮かんでしまう。どうしようもない思い出を振り返ってしまうって。なー、楽しい楽しいだけやのうなってく。酔いに任せて、誰かの名前を呼んでしまう。」
みっともなく泣いてしまう。それが年をとるということ。
「八さん?川原ちゃんな白髪見つけたんや。」
アンリは、映画のクライマックスシーンを見せてくれた。他の女がジャマしに来る。
「ウチもやる。」
「八もやろ。」
「ええよ、ええよ。知らんもん同志がやっても、あかんやろ。」
喜美子は、考えていた。年を取るということ、子育てを終えたこれからのこと。穴窯のこと、1人で生きて行くということ。
朝ドラ「スカーレット」116話感想
#スカーレット【逆の選択肢】許婚の言い付けに従って、映画出演は2本でスッパリやめ 素直に家庭に入った小池アンリ。喜美子は2回めの窯焚きが失敗に終わった際、八郎の言い付けに背いてそのまま3回目の窯焚きへと進み、八郎は去って行った。小池アンリはあの時の自分と逆の選択肢を選んだ女なのだ。 pic.twitter.com/BVzQzP5Fxp
— ひぞっこ (@musicapiccolino) February 17, 2020
小池アンリさん、やるなあー。照子と喜美子3人の時はべらべらと何でも喋ったのに、十代田さんがもしかして八さん?と読んでからは言葉を選び、そーっと喜美子の寂しさだけ代弁してあげた。
感性豊かな年長者かぁ。なんかええなあ。
あとちゃんと玄関にまわって入る八さん、真面目か!#スカーレット— YJSK (@FnyhcuqpPhxcFU9) February 17, 2020
小池アンリさん。八郎に気づいたのに喜美子とのことに踏み込まず、説教がましくならないよう自分の体験に絡めて喜美子の今の想いを語る。重くなりそうな空気を、ダンス場面の再現ですぐ入れ替える。最初に登場した時に受けた印象よりずっとオトナの女性だ、これが機微というものか #スカーレット
— ぬえ (@yosinotennin) February 17, 2020
『スカーレット』(116) 後半、小池アンリが八郎に喜美子の酒の上の弱音を暴露して仕舞うンぢゃないかとずっとハラハラさせられた(制作の掌の上)。夫より仕事を選んだ喜美子と仕事より愛を選んだアンリ、真逆の人生が交わり友情を生むのも面白い。
— じゅりあ。 (@Julia_Pun) February 18, 2020
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