武志は、熱を出してしまう。外をボンヤリと見ていると雨が降って来た。昨日、真奈が置いて行った傘が干してあった。
第142話、水の波紋を描くんや。武志は陶芸に夢中になっていた。
見逃した方はこちらから⇨「【スカーレット】NHK」
「スカーレット」142話視聴率
第24週「小さな希望を集めて」第142話が、3月19日木曜日に放送されました。気になる視聴率は、19.0%でした!
陶芸家の神山清子さんがモデルになっています。男が多い蔵元で信楽焼に魅了されて行きます。波乱に満ちた人生をどう描くのか?
「スカーレット」142話ネタバレ
夢や希望が支えてくれる
「あっ雨や。あっ傘。」
「ちょっと待って。見ていたい。雨、見てたい。」
武志(伊藤健太郎)は、絵を描いていた。八郎は武志の背中を見つめる。傘にたまった水が風に飛ばされた。雫が水たまりに落ちる。
何かに閃いた、武志は夢中になって絵を描き出す。喜美子(戸田恵梨香)が展示会の打ち合わせから戻って来た。
「ただいま。」
「おかえり。」
「えっ、何かあったん?」
「こんばんわ。お邪魔してます。」
八郎(松下洸平)が不安になって病院に電話をしていた。大崎(稲垣吾郎)は、心配になって来てくれいた。
「先生、来てくれはったん。」
「どないしたん?」
「おかえり、水を動かすことにしてん。水たまりやのうて、水がこう生きてるー言う感じな。」
「水が生きている。」
「どういうこと?」
「新しいイメージが浮かんだんや。水の波紋や。」
「水の波紋?」
「器の中に水が生きてるように、水の波紋を描くんや。」
「水が生きてる?ええな。」
「うん。」
武志は、嬉しそうに笑った。
「熱が出たんですか?」
「電話を頂いたんで、どうかなって様子を見に帰りに寄って見たんです。」
「帰りに寄るようなところやないのに、もう。すんません。」
「ああ、いいえ。表情診ても問題ないですし。熱も昼過ぎには下がっていますから。」
「そうですか。」
「高熱が続かなければ大丈夫ですよ。」
「分かりました。」
「でも、やりたいことがあると言うのは心強いですね。武志くんにとって大きな支えとなってるんじゃないですか?」
「陶芸は続けても構いませんよね。」
「もちろん、病状が落ち着いている以上は。」
武志は、工房で作品を作っていた。八郎がそばで見つめる。
「見学者、1名入ります。」
「失礼します。」
武志は、中央から線を描いた。八郎と喜美子が笑顔で見つめる。
漫才のような元夫婦
「先生は、何色が好きですか?お世話になった方にお作りしてるんです。何か欲しい器とかありますか?」
「ああ、お皿かな。大きな、みんなで囲めるような大きなお皿。」
「色とか模様とか。」
「クールな感じがいいかな。」
「クール?」
「難しいな。」
「ああ関西弁で言ったら、シュッとした。ああ違うな。クールはクールか。クールな模様でシュッとした。」
大崎は、手を振りながらイメージを話す。
「ますます難しい。よう分からへん。」
「ほなら先生に釉薬やるときに来てもろうたら。」
「ああ、そうやな。」
「ああ、でも患者さんからの受取物を頂くワケにはいかないんです。お気持ちだけで。」
「ほな、作らはります?それやったら、ええんちゃいますか?お時間あるときにぜひ。」
「じゃあ、楽しみにしてます。」
「お待ちしてます。ありがとうございました。」
八郎は、お風呂を入れに行く。住田は、美味しい和菓子を持たせてくれた。
「なぁ、京都どうやった?」
「3人の作家さんと共同でやんねん。ひっろいとこやでー。女性陶芸家展、お母ちゃんが一番年上やった。ほやけど一番可愛かった。」
「えっ、何やそれ。見に行ったるわ。」
「おー、見にこい。」
いつ?10月や。10月かー。智也にな言うたんや。何を言うたん?
「陶芸やってること。ほんで今、作りたい作品がある言うことをな。」
「お見舞いに行ってるん?」
「智也な、受験勉強しとるで。大学行きたいんやて。けど、行かれへん言うてた。勉強できひんし、苦手なんやて。」
「受験勉強にならへんやん。」
「ほやから、今度行って教えたることにした。数学と英語、約束してな。ほんで俺も約束した。今取り掛かってる作品がうまいこと行ったら、一番に見せたるって。」
「病院まで持ってく?」
「入院してたらな。病状が落ち着いたら、俺みたいに通院治療に切り替えるって。ほやから、家まで持ってく言うて。琵琶湖の向こうやってな。」
「えらい遠いとこから来てんねんな。」
琵琶湖大橋を渡って作品を届ける。
「琵琶湖大橋?それお母ちゃんも一緒に行く。絶対行く、着いてく。」
「何でや?」
「ええやん、ええ機会や。一緒に渡ったる。」
「渡らんでええよ。」
「ええやん。早よ作りや。楽しみやな、琵琶湖大橋。」
「ええよ、もう。泳いで渡れ。」
『あかまつ』では、敏春と照子が来ていた。芽ぐみの結婚が正式に決まった。芽ぐみと学も来ていた。
「武志くん、川原さんとこの武志くん。病気や。呼ぼうな披露宴、来てもらおうな。賑やかにやろうやないか。大盤振る舞いしたろやないか。」
八郎と喜美子は、和菓子を食べていた。
「いろんなことが小そう見えてくる。昔、言い合いしたことや。悩んだこと。」
罰金、罰金罰金。罰金貯金や。罰金とられるような後ろ向きの話やない。
「ほな、なんやねん。ちゃっちゃと言わんかい。武志、お風呂から上がってくんで。何がおかしいの?何笑ろうてんの?ちゃっちゃと言わんかい。」
おばちゃんやな。おばちゃん?何言おうとしたのか忘れたわ。年とったな。
「あっ、分かったわ。武志がな、今日熱だしたやん。」
「高熱が続かへんかったら、心配すること無いみたいやで。」
「うん、せやけど。熱出されたら、ドキッとするな。ドキッとして、ああ武志は病気やったって思うわ。」
病気を前にしたら、いろんかことがどうでもよくなるわ。ただ、もう元気でおってくれたらそれでええ思うわ。
「なぁ、お父ちゃん。いつまでおるん?」
「いつまでおるん?」
「週明けまでおる言うたやん。」
「ほな、明日ウナギ取ろうか?」
「ええな。」
喜美子は、武志の分の和菓子とお茶を淹れた。
「ほんでな、明日病院行ってくるわ。智也くんのお母さんに差し上げる器が出来たんよ。渡して来るわ。聞いてる?」
「聞いてる。」
武志は、髪の毛をそっと触っただけで抜けてしまった。喜美子は、可愛らしいチューリップの絵を皿に込めた。
朝ドラ「スカーレット」142話感想
おしんナレで「かつて愛し合ってた」とか「愛を超えた同志」みたいなのが入ってたけど、今日の喜美子と八郎が
まさにそんな感じがした…男と女であった頃の
キュンキュンはもうないかもしれないけど、喜美子の
遠慮ないツッコミと、それに若干喜んでるフシのある
八郎…いいと思うw#スカーレット— ドラみん (@dorraming) March 19, 2020
きみちゃんとハチさん。おばちゃんとおっさんだ。
「ちゃっちゃと言わんかい!」というおばちゃんと、「何言うか忘れたー」というおっさん。
おばちゃんとおっさん、いいカップルだ。そんな歳になってこうしてお茶飲めるの、いいなあ。
#スカーレット— さとひ/仕事のときは渡辺裕子(わたなべひろこ) (@satohi11) March 18, 2020
#スカーレット は「闘病生活」でなく、「生活の中に病がある」のが良い。親子関係があり、陶芸があり、恋があり、その中の1つとして病がある。絶望するときもあれば、本人も病であることを忘れてしまうような時もある。生活はそのようなまだらが全て繋がり連続していくものであり、それ自体が尊い。
— うえはす (@TIGmDv3LDIE0CxY) March 19, 2020
電話を受けた大崎先生、父親一人でオタオタしてて肝が据わった喜美子が留守だと察知したからわざわざ寄ってくれたんだろう
白衣着て診察室でデータで病気だけを見るのでなく、本人と家族まで含めた生活の中に在る丸ごとの患者自身を診るのがこの医師の姿勢なのだ#スカーレット (142)#稲垣吾郎 pic.twitter.com/gG56MhDFbl
— 永麻理 (@ok_eimari) March 19, 2020
あれこれ指図する喜美子を「おばはんやな」と笑う八郎を見て、八郎さん、喜美子は子どもの頃からずっとおばはんやで、あんたに恋したときだけ可愛かったんやで、と思った。
#スカーレット— Rlcb (@rlcbrlcb) March 19, 2020
喜美子が陶芸家になったことも、離婚も、武志の病も、人が生まれていつか最期に辿りつくまでの1ピースなのだなぁと思う。殊更に陶芸家としての成功や病の苦しみを描いて見せたいわけではない #スカーレット が好き。生きる上での苦しみや辛さの1ピースを自分がどう扱って、どう在りたいか考えてしまう
— りこ (@front_rico) March 19, 2020
自分の愛娘の結婚するって時に「武志くんに披露宴、来てもらおうな」「身体健康や」。妻の親友のお子さんが頭に浮かぶ敏春さん、やはりあなたは素敵なひとだ #スカーレット
— ぬえ (@yosinotennin) March 18, 2020
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